最近ではペットを飼う家庭が増え、それに伴いペットのトラブルも増えてきています。
特にマンションやアパートなどの集合住宅では、ペットの騒音や悪臭などでトラブルになるということもよくあります。
もしもペットトラブルに巻きまれてしまったら、どのように対処していけばよいのでしょうか。実際の事例を確認しながら、解決方法を紹介していきます。
ペットの騒音・悪臭問題はどこまでが許容範囲か?
ペットの鳴き声や臭いは、ある程度の許容は必要となります。鳴き声が聞こえてきたり、臭いが漂ってくるなどは、どうしてもペットを飼育している以上、仕方のないことだからです。
ただ、誰しも許容できる範囲はありますよね。そこで、許容範囲の基準となる事例をいくつか紹介していきます。
鳴き声
ペットの鳴き声が聞こえてくることは、ある程度仕方がない事だとしても、夜中にずっと鳴き続けられてしまうと、騒音問題として扱われます。
特に屋外飼育の犬は、鳴き声が近隣に響き渡るので、多くの人に迷惑をかけることとなるため、飼い主に改善を求めることができます。
悪臭
ペットの糞尿が臭いを放つということは周知の事実かもしれませんが、気分が悪くなるほどの悪臭を放っている場合は問題です。
糞尿を正しく処理せずに屋外に放置していたり、多頭飼いで世話が行き届かず悪臭を放ってしまったりなど、あまりにもひどい場合は改善を求めることができます。
糞尿
犬を散歩させる際に、糞をそのまま放置していくというのも問題です。
道路上に放置していくことも問題ですが、特に、近隣の家の前や庭などの敷地内に放置していくという場合は、改善を求めることができます。
犬だけでなく、猫の場合でも糞のトラブルは起こります。屋外で飼育している猫は、自由に好きな場所で糞尿をしてしまいます。
そして自分の気に入った場所が見つかると、そこをトイレとして認識して、毎日しに来るようになってしまいます。
猫の場合は飼い主が付いて歩くことがないため、なかなか注意することもできず、解決が難しい問題となっています。
集合住宅の規約違反
集合住宅の場合、ペットに関する規約が定められている場合があります。
規約は物件によってさまざまで、小型動物のみ飼育可能であったり、ペットは2匹までだったり、賃貸物件の場合はペットの飼育自体を禁止している場合もあります。
これらの規約に違反している場合、特に問題を起こしていなくても、ペットトラブルとして取り扱われることがあります。
ペットトラブルの体験談と対策方法
では、実際の体験談を確認しながら、対策方法をご紹介していきます。
犬の遠吠えがうるさい
ケース①
近所で飼っている犬の遠吠えがとてもうるさいです。毎晩、深夜0時過ぎになると、決まって遠吠えをします。
ただ、それ以外はとてもおとなしい犬だし、飼い主の方とも仲良くさせていただいているので、どのように伝えればよいのかわかりません。
ケース②
隣の家の人が犬を飼い始めました。保護犬?というのを引き取ったらしく、子犬ではなく大人の大型犬です。
子犬のころから飼っているわけではないので、まだきちんとしつけができていないらしく、昼夜を問わず吠えたてています。
特にひどいのは自分の家の前を誰かが通る時で、とても大きな声で吠え立てるので、家の前を通るのも怖いくらいです。
動物の保護活動に反対するわけではありませんが、家は子どももいるので鳴き声で起こされたりするのも迷惑ですし、もしも子供に襲い掛かったら…と思うと少し心配です。
猫のフンや動物臭がひどい
ケース①
隣の家で飼われている猫が、うちの庭で毎日糞をするので困っています。
隣の家は放し飼いで猫を飼っているので、猫が自由に外に出てきます。そしてうちの庭に入っては糞をしていくので、いつも片付けなくてはいけません。
ペットボトルを置いてみたり、猫よけのマットを敷いてみたりなど、いろいろ工夫をしてみましたが意味がありません。
外に出さずに室内飼いにしてほしいのですが、どうしたらいいのでしょう。
ケース②
マンションの隣室の人が、複数匹の鳥を飼っています。それもベランダで飼っているので、鳴き声もうるさいし、何より悪臭がすごいです。
多分、かごの掃除などをほとんどせず、餌だけ与えて放置している感じです。
きちんとお世話をすれば、そんなに臭いはしないはずなので、ちゃんと世話をしてほしいです。
それか、部屋の中に入れて欲しいです。でもなかなかうまく伝えることができず困っています。
禁止マンションなのに猫を飼っている
上の階の住人が、猫を飼っています。うちのマンションはペットが禁止なので、どんな小動物でも買うことが許されていません。それなのに堂々と飼っています。一度「このマンションはペット禁止ですよ」と伝えてみたのですが、「誰にも迷惑はかけていないから」と取り合ってくれません。
たしかに、特に鳴き声がうるさいわけでもなく、匂いも全くしないので、近隣に迷惑をかけているわけではないかもしれませんが、なんだかもやもやします。
野良猫の被害
近所の人が野良猫に餌をあげるので、近隣に何匹か住み着いてしまいました。
きちんと飼って、責任をもってくれるのならいいのですが、気が向いた時に餌をあげるだけなので、お腹がすくと生ごみを漁ったりして、ごみが散乱してしまうこともあります。
「餌をあげないでほしい」と伝えると、「残り物を捨てるのがもったいないだろう」と怒られてしまうし、「じゃあ飼ってください」というと「老人の一人暮らしだから飼えない」と言われます。
保健所に連絡してしまうのも何だかかわいそうに思い、対処のしようがなくて困っています。
ペットトラブルに関する相談先一覧
もしもペットトラブルに巻き込まれてしまった場合、どこに相談するのがベストなのでしょうか。
ペット被害の相談先を一覧にまとめてみました。
相談先 | 流れ | 電話 |
---|---|---|
管理会社 | マンションやアパートの場合は、まず管理会社に連絡。 | 各物件による |
自治会 | 自治会や町内会がある場合は、そちらに相談しても◎。 | 各地域による |
保健所 | 野良犬や野良猫、野生生物のトラブルは保健所へ。 | 各地域による |
保健所の動物指導センター | ペットに関するトラブルに対応してくれる | 各地域による |
警察 | かなり悪質な場合は相談できるが、ペット問題はほぼ対応してくれない | 各地域による |
生活トラブル調査センター | 無料で専門家のアドバイスがもらえる。 | 0120-783-080 |
弁護士 | 解決が難しい場合は弁護士に依頼することもできる | 03-3581-0031(東京弁護士会 紛争解決センター) |
マンションやアパートの場合は、まずは管理会社に相談してみてください。
特にペットに関する規約がある物件の場合は、その対処法なども契約書に書かれていることがあるので、対応しやすくなります。
一軒家の場合は自治体や保健所の動物指導センターなどを活用していきましょう。
ただし、管理会社や自治体、動物指導センターでは、あまり強く注意することができず、悪質な隣人の場合は改善されない場合もあります。
そんな時は、近隣トラブルの専門家の意見を聞いてみたり、弁護士などに相談してみるというのも一つの手です。
弁護士に相談するときの注意点は、事が大きくなってしまう可能性があるということ。揉めに揉めて裁判するとなると、近所中に知れ渡ってしまうかもしれません。
そんな時におすすめなのが「隣人迷惑・近隣トラブル仲裁サービス」です。
誰にも知られずに元通り平和な生活に戻りたい場合でも、専門知識を持ったプロがすばやく穏便に解決に導きます。
ペット問題は悪臭や騒音など立証しにくい被害が多いため、我慢してしまう人も多くいますが、しっかりと証拠を集めれば解決できるケースもたくさんあります。
弁護士に連絡すると大ごとになってしまう…、保健所に連絡するとかわいそう…、などと躊躇してしまう場合でも、「隣人迷惑・近隣トラブル仲裁サービス」では、できるだけ穏便に、平和に解決する方法を提案してくれます。
また、そもそもこういったトラブルを予防するためには、引越し前の隣人調査や、トラブル予防サービスの利用も考えましょう。
まとめ
ペットトラブルは、誰でも巻き込まれる可能性のある身近な問題です。そして、巻き込まれてしまった場合でも、我慢してしまう人が多い問題でもあります。
うまく解決していくためには、証拠集めが重要なポイントとなり、鳴き声の測定や録音、動画撮影などが必要となる場合もあります。
一人で解決するのが難しい場合は、「隣人迷惑・近隣トラブル仲裁サービス」に相談してみてください。
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