隣の家から雨水が流れ込んでくる…。こんなトラブルに巻き込まれてしまったらどのように対処していけばよいのでしょうか。
雨水は人災ではなく天災であるため、なかなか対処が難しい分野になります。実際の例を見ながら、解決方法を確認していきましょう。
隣地、隣家から雨水が流れ込む原因
隣の家から雨水が流れ込むという状況は、あまり頻繁に起こるケースではありませんが、ちょっとしたことが原因で誰でも被害者になり得ます。
では、どのような場合に、このような被害が起こってしまうのでしょうか。まずは、よくあるケースを紹介していきます。
雨どいが壊れている
屋根の雨水を排水するために付けられている雨どい。それが故障することによって、雨水がうまく排水できず、隣家に流れ出てしまうというケースがあります。
故障の原因はさまざまで、経年劣化による故障や、暴風、飛来物、落下物などによる破損、動物による破損などがあります。
排水パイプのつまり
雨どいにつなげられた排水パイプなどが詰まっていると、うまく排水できずに溢れてしまうことがあります。
雨どいは屋外で目の届かないところに設置されているため、詰まりに気づきにくく、掃除する回数も少なくなってしまいます。
つまりの原因としては、落ち葉や土埃がほとんどですが、たまに動物が巣を作る、糞尿されるなどにより、つまってしまうこともあります。
屋根から直接流れ込んでくる
一般的な一軒家の場合は、基本的に雨どいが取り付けられていますが、中には雨どいのない建物などもあります。
例えばプレハブ小屋やガレージなどは、雨どいがない場合もあります。
雨どいがない建物が土地の境界ギリギリに建てられている場合、屋根を伝って自分の土地に直接水が降り注いでしまうというケースもあります。
土地の高低差による流入
例えば坂になっている土地に家が建てられている場合、どうしても水が上から下に流れています。
隣の家が高い位置にあり、自分の家が低い位置に建てられている場合は、雨水がどんどん流れてきてしまうという状況になります。
雨水トラブルの体験談と対策方法
では次に、実際に起こった雨水トラブルの例と、裁判事例を見ながら、解決方法を見ていきましょう。
隣の敷地から越境して水が流れ込む
ケース①
隣の家がうちよりも50センチほど高台になっていて、雨が降ると、隣の敷地の水がうちに流れ込んできます。
うちの庭がいつも池のようになってしまって困っているのですが、隣の家の人に改善するように頼むことはできますか?
ケース②
隣家よりうちの土地が低くなっていて、以前から雨水が流れ込んでいたのですが、最近、隣家が庭を駐車場に変え、土からコンクリートに変わりました。
すると以前よりも流れて来る水の量が一気に増え、うちの庭に溜まるようになってしまいました。何とかしてもらうことはできますか?
隣の家の雨といから水が流れ込む
ケース①
隣の家の雨どいが壊れて、家の駐輪場に雨水が降り注いできます。ちょっとした雨の時は気になりませんが、大雨の日は滝のように自転車に雨水が降り注ぐので、とても気になります。
早く修理して欲しいのですが、どのように伝えればよいのか分からず困っています。
ケース②
隣の家のガレージの屋根から、家の庭に雨水が流れ込んできます。以前は雨どいが付いていたのですが、この前破損したらしく取り外されてしまいました。
雨どいがなくなったことにより、雨水が全部うちの庭に入るようになってしまいました。庭には大きな水たまりができてしまうし、花壇に水が溜まって植物も腐ってしまいます。
また雨どいをつけ直してほしいのですが、何度お願いしても「今度ね」の一言で片づけられてしまいます。
隣の屋根から落ちた雪で被害を受けた
隣の家の屋根から雪が落ちてきて、自転車が壊れてしまいました。
隣の人に説明して、弁償して欲しいとお願いしたところ、雪は自然災害だから、自分に罪はない。支払う義務はないと言われてしまいました。
隣の屋根からの落雪の場合、損害賠償を請求することはできないのでしょうか。
自分が隣家へ迷惑をかけないように注意すべき点は?
雨水のトラブルは、知らない間に自分が加害者になってしまうこともあります。そうならないためにも、日ごろから次のポイントをチェックしておくことをおすすめします。
- 雨どいの破損がないかチェックする
- 雨どいのつまりがないかチェックする
- 雨どいがない場合は取り付ける
- 落雪防止ネットやフェンスを取り付ける
トラブルの相談先一覧
もしも雨水のトラブルに巻き込まれてしまった場合、どこに相談すれば良いのでしょうか。
相談先 | 流れ | 電話 |
---|---|---|
役所 | 建築指導課、建築相談室に相談 | 各地域による |
不動産会社 | 新築で購入したばかりの場合は不動産会社に相談しても◎ | 各物件による |
弁護士 | 損害賠償が生じる場合は弁護士に相談 | 03-3581-0031(東京弁護士会 紛争解決センター) |
まず相談すべきは、役所の窓口です。各役所には建築指導課や建築相談室という窓口が用意されています。そこに相談してみましょう。
また、雨水や雪によって何か損害が生じた場合、弁護士に相談して損害賠償請求を行うこともできます。
もしも、賠償に応じないなど近隣トラブルに発展してしまいそうな場合は、「隣人迷惑・近隣トラブル仲裁サービス」に相談して、プロの手を借りるというのもおすすめです。
まとめ
雨水のトラブルは状況によって対処できるケースとできないケースがあります。
地面を自然に流れていく雨水の場合は、何も対処することができないので、自分自身でうまく解決しなければなりません。
一方で、雨どいや屋根からの流水の場合は、隣家に対処を請求することができます。雨どいの補強や修復、設置など、そのケースに合った請求を行っていきましょう。
解決が難しい場合は、近隣トラブルのプロ「隣人迷惑・近隣トラブル仲裁サービス」に任せして、スムーズに解決していきましょう。
また、そもそもこういったトラブルを予防するためには、引越し前の隣人調査や、トラブル予防サービスの利用も考えましょう。
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