土地が無断使用されている!勝手に使われた時の解決策、境界問題

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自分の土地が他の人に無断で使われている…というケースは珍しい事ではありません。

特に、普段使用していない土地は、放置状態になっているため、無断で使いやすい傾向にあります。

もしも土地の無断使用のトラブルに巻き込まれてしまったら、どのように対処すれば良いのでしょうか。実際の事例を確認しながら、解決方法を紹介していきます。

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他人による土地の無断使用、損害賠償はできる?

土地の無断使用…というと、あまり身近に感じないかもしれません。でも実は、とても日常的に起きているトラブルです。

具体的な例としては、次のようなものがあります。

空地への無断駐車

長いこと空き地として放置されている土地では、勝手に駐車場代わりに使われてしまうことがあります。

いくら空き地とはいえ、人の土地に勝手に車を停めることは違法行為に当たります。日常的に駐車場代わりにされてしまっている場合は、素早い対応が大切です。

空き家に住み着かれる

使ってなかった空き家にホームレスが住み着いてしまった…。というのもよくある事例です。

このケースの場合に大切なのは、できるだけ早く退去を求めて動くこと。長年にわたって住み続けられてしまうと、取得時効が成立して、所有権が移されてしまう恐れもあります。

中には、気づいたときにはすでに相手の土地になっている場合もあるので、発見したらすぐに行動を起こすことが大切。

困ったときはすぐに隣人迷惑・近隣トラブル仲裁サービスなどの専門家に相談してみましょう。

荷物置き場や資材置き場にされる

長年放置されている土地の場合、近隣住民が荷物を置いたり、業者が資材を置いたりなど、勝手に物置代わりに使われてしまう場合があります。

このケースの場合も、当然撤去請求をすることができますし、場合によっては損害賠償請求をすることもできます。

不法投棄される

長年放置されている土地や、山などの人影のない土地の場合、ゴミや産業廃棄物などを不法投棄されてしまうことがあります。

不法投棄されたものの処分は、土地の所有者が行わなければならず、時には莫大な処分費用が掛かってしまうことも…。

この場合も空き家のケース同様にできる限り早く対処して、常態化させないようにしましょう。

民法の時効取得に注意

先ほども少しふれましたが、民法には時効取得と言う制度があります。

これは、他人の所有している土地にも関わらず、自らが所有の意思をもって一定期間占有し続けた場合、所有権を取得できるという制度。

その期間は状況によって2通りに分かれます。

  • 最初から自分の土地だと思っていた場合→10年
  • 他人の土地だと知っていた場合→20年

他人の土地と知っていながら住み続けて、挙句に所有権を取得できるというのは、なんとも言えない制度ではありますが、現代の日本ではこのように定められています。

つまり、勝手に自分の土地に住み着かれていることを知っていながら放置してしまうと、時効取得によって所有権が移ってしまう恐れがあると言う事です。

実際に、長い事使っていなかった空き家を、父親の死をきっかけに相続しようとしたら、20年以上人が住み続けていて相続できなかった…という例があります。

こうならないためにも、無断使用されていることに気づいたら、早急に対処していく必要があります。

あいまいな境界線をはっきり決めるには

古い建物の場合、隣家との境界が曖昧になってしまっていることがあります。

例えば、「隣の家の塀がうちの土地に建てられている」「駐車場がはみ出している」などのケースがあります。

昔はきちんと境界を決めずに、なんとなく家が建てられていたため、こういったトラブルが起こってしまっています。

トラブルを避けるためには、境界をはっきりと決める必要があります。境界をはっきりさせる方法は、筆界を確定させる方法と、所有権界をはっきりさせる方法の2種類があります。

筆界を確定する

筆界を確定させる方法は、登記簿や図面で区画を示して、公的に境界をはっきりさせるやり方です。

この場合は、筆界特定制度を利用することができ、特に裁判などを行わずに境界をはっきりさせることができます。

ただし、登記簿に記された土地と、実際に建てられている建物にはズレが生じています。ズレが生じる理由は、「昔の測量が不正確」「天災などでズレてしまった」など。

今更どうしようもない理由が多いため、筆界だけをはっきりさせても問題が解決しないケースもあります。

所有権界を確定する

所有権界を確定するためには、お互いが話し合って同意のうえで境界を決めるというのが一般的です。

登記簿とはズレが生じていたとしても、お互いに納得できる位置を境界として定める方法です。

この場合は、土地家屋調査士会や測量士などに調査を依頼して、どこを境界と決めるべきであるかを調べてもらいますが、双方が納得できない場合は裁判になってしまうこともあります。

土地の無断使用の被害実例と対策方法

では実際の体験談を確認しながら、解決方法を紹介していきます。

擁壁が越境している

中古で一軒家を購入したのですが、購入後に、隣家の擁壁がうちの土地に越境して建てられていることがわかりました。

不動産会社に問い合わせたところ、越境の事実は知っていたようです。でも私は何一つ説明を受けていません。

この場合、越境している旨を隣家に通知して、撤去してもらうことはできるのでしょうか。また、販売した不動産会社に対して、損害賠償請求などを行うことはできるのでしょうか。

[対策のアドバイス]

まず、越境している擁壁についてですが、境界確認書が作成されていて、隣家との境界がハッキリさせられている場合は、隣家に撤去請求することが可能です。
ただし、隣家が越境に気づいておらず、境界確認書も作成されていない状態である場合は、まず境界をはっきりさせる話し合いを行う必要があります。
また、不動産会社への損害賠償請求ですが、越境問題を故意に隠してわからないようにしていた場合、隠れた瑕疵があったと認められて損害賠償請求することも可能です。
ただ、土地の図面などの境界に関する書類を受け取っている場合は、特に説明が無かったとしても隠れた瑕疵として認められにくくなります。
この場合は損害賠償請求ではなく、契約不適合ということで契約解除を求めることができます。

庭や水道を勝手に使用されている

ケース①

うちの庭に近所の親子が勝手に入り、遊び場として使っています。

うちの場合、特に塀や生垣などもなく、一見すると空き地のように見えてしまうため、子供はわからずに遊び場にしてしまうのは仕方ないかもしれませんが、大人であれば人の家の庭だということはわかると思います。

迷惑なので一度注意してみたのですが、その時は「すみません」と出て行きましたが、数日後、また遊び場として使っていました。

たまにジュースやお菓子のゴミが捨ててあるときもあって、とても迷惑しています。

[対策のアドバイス]

他人の庭で勝手に遊ぶというのは、常識的に考えてありえない話ですよね。にもかかわらず、親子で遊んでいる。
しかも注意したのにまた来るというところを見ると、一筋縄ではいかない相手と思われます。
この場合は、直接文句を言うと、大きな近隣トラブルに発展してしまう恐れがあるので、絶対に自分で解決しようするのは避けた方がいいでしょう。
また親子が遊びに来た場合、すぐさま警察を呼んで対処してもらうことをおすすめします。
もし警察を呼んで大ごとにしたくないというのであれば、柵を立ててしまうのも一つの手です。
塀や生垣がないと、どうしても入りやすく感じてしまいますので、何かしら入りにくくなる対策を立てる方が無難かもしれません。

ケース②

私の住んでいる街は海が近いので、週末になると釣り客が沢山来ます。その中にマナーの悪い人がいるみたいで、家のガレージにある水道を勝手に使って釣り竿を洗っています。

うちのガレージは、住居と少し離れてある上にほとんど使っていないため、普段あまり人目がありません。それを知ってか、勝手にガレージに入っては釣竿や釣り具を洗っていくのです。

勝手に使われていることに気づいたのは、釣り具が捨ててあったからです。不審に思って監視カメラを付けたところ、ほぼ毎週のように釣り客が水道を使っていました。

なんとか使われるのを防ぎたいのですが、週末ごとに監視しているわけにもいかず、どうすれば良いのかわかりません。

[対策のアドバイス]

水道の無断使用は窃盗罪に当たります。窃盗罪というと物を盗む…というイメージがあるかもしれませんが、水や電気なども窃盗罪の対象とされているので、この場合も窃盗罪に当たります。
監視カメラの映像があるとの事だったので、その映像をもって警察で被害届を出してみてもいいかもしれませんが、水の窃盗、さらには週末限定で不定期ともなると、あまり相手にはしてもらえないかもしれません。
なので、ガレージに監視カメラをつけていることを知らせる看板を立てたり、水道の無断使用は通報しますという貼り紙を貼ったりするのが効果的です。
もしくは、あまり使っていないとのことなので、止水栓を止めてしまうのもおすすめです。それが無理であれば、蛇口のハンドルを外しておくのも効果があります。

敷地への無断侵入

ケース①

隣の家の子供が、バスケを始めたらしく、庭でバスケの練習をしています。それだけならいいのですが、たまにボールがうちの庭に飛ばしてしまい、勝手にボールを取りに入ってきます。

お隣とは仲が良いので、なかなか言い出すことができませんが、ボールを入れ無いように配慮してほしいのと、万が一入ったら、一声かけてから取りに入ってほしいです。

[対策のアドバイス]

敷地内に勝手に入ることは不法侵入に当たるのですが、この場合、お隣とは仲が良く、さらに入ってくるのが子供ということで、大ごとにはせずに解決したいですよね。
この場合、直接相手に文句を言ってしまうと、どうしても角が立ってしまうので、第三者に注意をしてもらうことをおすすめします。
隣人迷惑・近隣トラブル仲裁サービスなどの、近隣トラブルの専門家に相談して、早急に解決してもらいましょう。

ケース②

最近子供が生まれてバタバタしてしまい、庭木の手入れが行き届いていませんでした。すると、突然隣の家の人が入って来て、庭木の手入れや草むしりを始めました。

びっくりして「何をしているのですか?」と聞いたら、「手入れが行き届いていないから、やってあげる」と言われました。

やんわり断ったのですが、「好意でやっているのに」と怒られてしまいました。

手入れをしていないのは事実ですが、勝手に入って来て手入れされるのは困ります。どうすれば良いのでしょうか。

[対策のアドバイス]
好意とはいえ、勝手に庭に入って草木を手入れするのは良識ある行動とは言えませんね。やめさせる方法は2つあります。
一つ目は、隣人迷惑・近隣トラブル仲裁サービスのような近隣トラブルの専門家に相談して、無断侵入しないように注意してもらう事。
そしてもう一つは、自分で草木の手入れをすることです。
草木の手入れが行き届いていないためにこのトラブルが起こってしまったので、原因を解決すれば、無断で入ってくる理由もなくなります。
育児で忙しく、手入れする時間がないというのであれば、植木屋さんなどにお願いして剪定してもらう方法もあります。

境界線問題で裁判になった例はあるのか?

現代社会において、境界線問題で裁判になることはほとんどありません。その理由は、ほとんどの場合で測量や話し合いで境界線を決めることができるようになっているからです。

境界線問題が勃発した場合、まずは登記簿の境界を確認します。それと実際の建造物とのズレを考慮して、お互いが納得できるところを境界線として設定し、境界確認書を作成します。

お互いの意見が合わず、どうしても境界線が定められないという場合に限り、裁判に移行することもありますが、裁判になると費用や時間がかかり面倒なので、話し合いで和解することがほとんどです。

実際に境界確定訴訟を提起し、和解により解決した事例を見てみましょう。 

依頼者であるXさんは、2年前に自宅を建て替え、家族とともに新居で充実した生活を送っていました。

Xさんの隣地には、高齢の夫婦が住んでいましたが、今回施設に入ることになり、夫婦が住んでいた土地建物を30代のYさんが買い受け、新しい所有者となりました。

Yさんが隣地に住むようになって半年ほど経った頃、Yさんが突然Xさんの自宅を訪れ、「お宅の玄関のアプローチが越境しているので、壊してほしい」と申し入れてきました。

Xさんとしては、越境しているとの認識はなかったものの、どう対応すれば分からないとのことで、当事務所にご相談に来られました。

~中略~

まず境界を調査するために、土地家屋調査士に測量を依頼しました。その結果、境界線は、ブロック塀の中心線からややYさんの土地側にあることが判明しました。

そこで、その測量結果をYさんに伝え、境界確認書を締結しようとしたところ、その測量結果によれば、Yさんの土地が少し狭くなってしまうため、Yさんはこれに応じませんでした。

そのため、Xさんとしては、やむを得ず境界確定訴訟を提起しました。

訴訟手続の中で、測量結果に基づく境界線の確定を行うことができました。

また、その境界線を前提としても、0.5センチメートルほど、Xさんの玄関のアプローチは越境していましたが、次回の建て替えのタイミングで越境状態を解消する旨約束することでYさんも納得し、無事に和解が成立しました。

URL: https://www.otaka-law.com/fudousan/answer/case-170/

まとめ

土地の無断使用や境界問題は、自分一人で解決できる問題ではありません。

というよりも、自分一人で解決しようとすると、逆に悪化してさらなるトラブルの原因にもなってしまいます。

それぞれのケースで解決策が違うので、どのように解決すれば良いのかをよく確認して、しかるべき措置を取ることが大切です。

解決が難しい場合は隣人迷惑・近隣トラブル仲裁サービス等の専門家に相談して解決してもらうことをおすすめします。

また、そもそもこういったトラブルを予防するためには、引越し前の隣人調査や、トラブル予防サービスの利用も考えましょう。

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